2013年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

第五回くすのきマラソン参戦記

自己ベスト。自分史の中で最も優れた記録。

世界記録といえども、ある人が更新した自己ベストがその瞬間において人類の頂点に立つこととなったとの偶然。

自己ベストと呼ぶ記録に特別な意味を持たせるとすれば自己と格闘した過去を振り返り称える時にあるが、現役かつ伸び盛り?を自称する自分としては、ここはあくまでも通過点として捉えたい。それゆえ自己ベストの名称を今は過去ベストと呼びたい。勿論、すべてはレース後24時間が経過した後のことであるが・・・

若い頃にある種の競技に打ち込んだトップアスリートの面々が、同じフィールドで再び記録に挑むほど難しいことはない。仮にモチベーションが向上していても年齢、ブランクや技術をとりまく環境の変化より、かっての自己記録を超えることは至難ともいえよう。

だが稀に不屈の精神力によりハンディを乗り越えれるアスリートがいる。まさに鉄人と呼び最大級の賛辞を贈りたい。

現在の自分が若い頃の自分と同じ競技で闘うことを思えば、少々加齢した肉体であろうと異なる競技にシフトすることは気分もリラックスができ、またなにより新鮮でもある。

自分が選択した競技はマラソン。「よかった!かってのエリートランナーでなく。」と考えると同時に加齢しながらも記録が出ることに少々の罪悪感を感じる。走る以前の生活、つまりランナーでない時代が長かったことに心が痛む。

もっと早く走る喜びに気がついていれば・・・

後悔ではなく純粋に現在を肯定する気持ちである!それほど単純な動作を飽くなく続けられ、また自己を度々発見できる競技を知らない。

さて、前置きが長くなったが先週行なわれた第五回くすのきマラソンでは自己ベストを更新することができた。そのレースを振り返る。

当日の天気は快晴。しかも風もなく、気温は5℃。その後13℃まで上昇するがマラソンとしては絶好のコンディション。好成績への期待感が膨らむ。

会場にはチームのメンバーが4名。このうちトライアスリートの会長は足の故障により自慢の自転車で応援。チームのエントリーは私を含めて3人、うちH氏は重大な故障を押しての出場である。

他人の痛みを分かち合えぬはもどかしさ。レースに出るも地獄、残るも地獄。この選択を当日会場入りして決めるとなると、まずは出場が自然な運びとなる。そういう自分も首を痛めた昨年、この選択を当日の成り行きに任せたことで症状が悪化、1ヶ月の安静療養を強いられた苦い経験を持つ。愛すべきキャラクターのH氏に掛ける言葉をあらかじめ用意はしていたが本人の顔を見ると強くは言えない。そこは前回のブログにも書いた自己責任のルール。「いざという時は回収車に乗ります!」という言葉を信じて一緒に出場ということで決着する。

そのH氏、その後レースを楽しみつつなんと完走してしまう。やはり故障の原因をつくるも回復を知るも本人次第!今後チームの同僚には余程の心の動揺が無い限り平常心を尋ねるだけに留めようと考える。

この他に知人で70歳の熟年ランナーがいた。もと航空自衛隊のご出身でかってのエリートランナー。現在もその走りにいささかの衰えも見せず、出走する大会では常に年代別で入賞を重ねる。

「今回は70歳代の部で優勝を狙うぞ!」との意気込みをレース前に聞くことで大先輩より元気を分けてもらう。(結果は2位、お見事!)

出走後10キロまでは遠足気分。時折チームの会長が自慢の高速自転車で横を通り過ぎては立ち止まり、自分やチームのメンバーの走る姿をカメラに納めてくれる。まるで小出監督よろしく、タイムとフォームをチェックし貴重なアドバイスを冗談とともに頂く。仲間といる連帯感のため疲れを感じず楽しく走れたおかげで10キロ通過タイムはサブスリーが可能なタイム。勿論、この時点では考えにくく体に調子を尋ねた。

「チームのTさんの指導どうりの練習はこなしたから万事上手くいく。だけど過信は禁物。」

レース中は競技に全神経を集中させるから余計なことを考えにくい。レース直後より頭脳はマラソンモードに切り替わる。より早く完走するプログラム遂行のため一切の無駄を省く思考を執るようになる。また頭と体の各部分は目的達成のため連携を組む。

足音や風を切る音を耳で聴くことよりスピードを確認する。目に映る風景は開始直後の広角な視界より次第に狭くなる変化を読み取る。これは脳の疲労度のチェックにあたる。

こうして感性を研ぎ澄ませることにより時々の調子を体に尋ね、五感すべてを活用することにより長丁場を乗り切る。

20キロ過ぎてからいつものペースに戻す。少し落としたのは後半の落ち込みを予測する反応が僅かに現れたためだ。ギアを落とすことでエネルギーの消耗は減る。しばらく後続ランナー数人に抜かれることになるがその作戦に迷いはなかった。

「今回のテーマは後半に失速しないこと。粘ばり強く35キロ地点までいけば天国にたどりつく」 折り返しのスプリットは93分程度。

丁度20キロ過ぎたあたりか・・・我会長のバイク姿を見かけなくなった。気になったが確認する術がない。後でパンクをし立ち往生した事を聞き気の毒で仕方なかった。(たくさんの写真を頂き有難うございました。また故障が癒えたら必ずご一緒に走りましょうね!)

33キロまではアップダウンの続くコースである。しかし、体調の良い時に限ると出走した経験が心強く感じられる。コースを学習することが強みとなる。(その逆もある!)後半にさしかかれどペースは一向に落ちる気配はなかった。

足音のリズムは快調そのもの。ウオークマンをつけてレースに出走することはないが、レース後半あたりよりいつも頭の中に曲が流れ出す。今回のテーマ曲は何故かルーキーズで流れた「奇跡」。このリズムに乗るには時速13キロ以上が必要か!?

頭の中の曲に合わせてピッチを刻むが、さすがにあと5キロまでくると足どりが少し重くなる。そこに大会ゲストランナーであるセカンドウインドの吉田香織さんが登場した。どうやらレースも終盤にさしかかり、彼女は調整の意味でペースを上げてきたのであろう。

後から私の背中をポンとたたき「あと5キロ、頑張って!」と励ましの言葉を頂く。明るい笑顔に慈悲深い観音菩薩を重ねてみたが逃げ足が異常に素早い。韋駄天様か?これもやはり人間離れ?

「よっし。この際現れた菩薩様に願をかけてみよう!」 したたかな走魂が自らに指令を下した。走る彼女まで少し追いつきお願いを乞う。

「どうしても10分を切りたいので吉田さん、連れていってください」

そこは大会のオフィシャルゲスト!吉田さんから快諾を得ることとなる。

「大丈夫、まだ充分あるから!」と私の横に並びしばらく併走してくれた。

そこでフォームの乱れを尋ねると「悪くない」との回答を得て安心する。

私の半分くらい?の身長しかないスリムな女性ランナーからこれほど元気を貰うことになるとは・・・

吉田さんからはその後もしきりに腕を触れとのアドバイスを得る。また次に「目の前の3人をまず抜いて!」との指示。まるで彼女の実践レースさながらではないか??

いわれるがまま追い抜くと、今度は視界ぎりぎりに確認できる前を走る5人を目標にしなさいとの指示が飛ぶ。

プロ意識と市民ランナーの違いをあらためて認識する。今まではランナーを抜くことが競技にでる目的でないと思っていた。いや、抜かれるのもいやだからそう考えることが自然であった。

しかし、その時抜いたのは「ランナー」はなく「時」としてであった。ゴールと呼ぶ目標が時間である場合に限り、自分の前を進んでいる人は未来で後を走る人は過去。

10人、いや10分くらい時計を進めた?であろうか・・・距離は残り2キロとなる。

「ここまできてその走りなら力は相当なもの、絶対に切れます!」

プロから頂くもったいないほどの賛辞。それがゴールするまでに聴けた吉田さんの最後の言葉となる。

吉田さんはその後もペースを落とさなかった。次第に離れいく自分を気にして度々振り返れどやがて視界から遠ざかっていった。

「残念だ。万事休すか」

それでも数人はランナーを抜いた記憶がある。ペースそのものは落ちてなかった。

設定した「時」が過ぎていったのだ。

ようやくゴールのアーチが見えてきた。

「自己ベストは間違えないであろう。ただ10分切りはどうか?」

最後の直線でスピードを上げることが出来た。

そして「ゴール!!」

たどり着いたゴールに吉田さんが笑顔で迎えてくれた。

「ナイスラン!」

その彼女のタイムはなんと9分台後半。私のタイムは10分55秒。

思えば彼女は10分を維持するため「時」を演出してくれたんだ。だからスピードを緩めることなく10分の手前できっちり走りきったのであろう。(因みに吉田さんの自己ベストはそれより40分早い!)

吉田さんに感謝の意を述べて合わせて自己ベストを更新したことを告げるととても喜んでいただけた。

その後チームの走りきったメンバーと合流。長く楽しかった一日の締めくくりはそれぞれに精一杯闘ったレースを振り返ること。共有した時間と空気により話題は尽きなかった。先にレース中経験した「時」を止めたいほどの気持ちになるがそれぞれに家路に急ぐ。

さて、今日のお土産は自己ベスト!賞味期限は24時間以内。鮮度の良いうち酒の肴みにしてしまおう!!練習再開後に「過去ベスト」として変化しないうちに・・・

くすのきカントリーマラソンまであと2日

今週の日曜日はくすのきカントリーマラソン、フルマラソンの部で出場する。名称変更となる以前の「宇部健康マラソン」より合算すると実に8度目の出場となる。

勿論、ここのところ毎週テレビ放映が続く世界選手権の出場権利を得るために精鋭が競うエリート大会と意味合いが違う。全員参加型で、しかも歴史のある立派な市民マラソン大会といえよう。

参加資格は健康な老若男女であること?!その約束事とは「大会出場における全責任は参加者個人が負う」 要するに自己責任のルールである。

とはいえフルマラソンは経験の多寡にかかわらず実に過酷なレース。真剣に行なえば命の保証すらできないものである!自己の肉体と精神をレースで極限まで追い込むことに悦びを感じる?私を含む多くの参加者は、この約束事を「死なない程度に走る!」といったところで便宜に解釈しているであろう。私も危なくなったらその場でゼッケンをはずし、湖畔に一人横たわる覚悟はある。高僧は立ったまま、また座したまま亡くなることを理想とするが走りながら消滅するは我本望。

ともあれ宇部地区で開催される同大会は、私にとって最も印象深い大会でもある。

初めて参加したマラソン大会との理由もある。まだ20キロの部であったが、初心者としては決死の挑戦であった。当時、専門知識や調整方法などあったものではない。まさに学生時代の運動会のノリ!前日までの深酒、しかも在りあわせのぼろぼろテニスシューズで挑んだものだ。

この他に印象に残るのは非日常的な雰囲気であった。その中で初めて多くのランナーを目の当たりに自分を客観視すると・・・・

「マラソンを開始する2年前までは連日の深酒や不規則な生活がたたり、体型を含めお世辞にも健康人と呼べなかった。ゆえに自分とこの健康オタク集団は不釣合いではないか??」 

しばらく自分の居場所を探すことに苦労したほど?と記憶する。

アップで軽快に走る後姿に見とれるてると、顔中シワだらけのお年寄りであったりする。「どうみても20歳代にしかみえなかったが・・・」 「ゾンビ?」 不安の次は恐怖心?が募る。

また選手は例外なく健康的かつスリム体系をしている。おまけに設置された喫煙所で煙草を吸う人も見かけない。控え室ではサ○ンパスを塗りつけテーピングをしている。談笑しながらも愛しそうに自分の足を見つめ撫で回している姿はいかにも異様な光景に思えた。

「彼らは自分の体をおもちゃにしている。きもい!(失礼)」

そんなデビューを経て翌年から2年間は、同大会への参加が危ぶまれる時期が続いた。

理由は不治の病に冒された父親の長期入院にあった。そのうち一度は危篤状態にある中、病院から抜け出して参加したことがあり今でも一部始終を忘れることが出来ない。

その精神的圧力は、現在においても過去に記憶に無いほど大きなものであった。出場を決行した理由は当時、得意先にあたる人物を大会出場に招いたことによる。大会前日に医者から呼び出しがあり、夜更けまで付き添うが少し快方に向いかけたことを確認しその足で知人を乗せて宇部の会場まで駆けつけた。そして走る。。。

「もしものことがあれば携帯電話に連絡がある。その時は知人に電車で帰ってもらおう。そうすれば3時間ほどで到着する。しかし、大丈夫であろう・・・いや、心配だ。」

レース中もずっと携帯電話が気になった。走り終わると真っ先に着信を見るが履歴無し。その日は事なきを得た。

こうして父親と一緒に42.195キロを頑張った一日の思い出がこの時期、鮮やかに蘇る・・・・ (昨年は無事、その父の7回忌を迎えることができた。)

この他、私の所属するランニングチームの会長の縁もこの大会がきっかけであった。ネットで同大会を検索していると、たまたま彼のブログの存在を知った。練習やレース参戦記に加え人生観などを骨っぽく語る文章を一気に読み終えると、是が非でも本人に会いたい!会わなければ必ず後悔する、と考え実行に移す。

「明日、偶然ですが私も大会にエントリーしています。よかったらレース中に声をかけてもらえませんか!」 とメールを送ったのが2年前。

それからは男臭?丸出し、本音も丸出し、ガチガチの硬派が真骨頂たる彼のブログに心酔した9人がメンバーとなりチームも一段と盛り上がる。

以上のように思い出が尽きぬ大会である。これからも充分期待できる!

さて、本日をもって練習はほぼ消化、調子は順調!(参戦記が書けなくなるので少し控えめなコメントとする)

練習のレシピを頂いたチームのT氏に報いるべく好成績を収めたいものと考える。やはり参戦を前にいささか興奮気味でもある。(今後これをランナーズプレハイとでも呼ぼう。) 今回のテーマはやはり後半35キロ過ぎ。イーブンペースを守りつつゴールまでピッチ走法により無事たどり着きたい!

では、今回出場されるランナーの皆様、同日開催される東京マラソンに出場できるうらやましい限りの(来年は出たい!)ランナーの皆様、最後に我チームの皆さん、ご一緒に頑張りましょう!!

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »